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Ferragosto:イタリア中、機能停止の祭日

夏です。
8月にはイタリアで大事な祭日があります。
8月15日。
日本では敗戦記念日、そして旧盆、キリスト教世界では聖母マリアの昇天祭。

我がイタリアではカトリック国としての面では「聖母マリアの昇天祭」ですが、一般にはその名前「Assunzione」と呼ばず、「Ferragosto(フェッラゴースト)」と呼びます。

この名前の起源はラテン語のFeriae Augustiで「 アウグストゥスの休日」という意味です。
このアウグストゥスは、かの、古代ローマの第一代皇帝のことなんです。

↓この人。
Statue-Augustus.jpg

アウグストゥスと言うのはこの方の個人名ではなく称号です。「陛下」とか「閣下」とか言うのと同じですね。彼以外にもアウグストゥスを称号に持った皇帝もいたわけですが、あまりにも立派すぎてか「アウグストゥス」と言うと、普通はこの第一代皇帝を思い浮かべます。
当時としては珍しく老年まで長生きして40年も統治したし、その統治はローマ帝国を一国として確固としたものに築きあげた立派なものでした。

アウグストゥスはすごくやり方が上手くて、アウグストゥスという称号も自分で決めたのではなく、元老院から贈られたのでした。そのように仕向けたかなりのやりて政治家でした。元老院もローマ市民も独裁者にアレルギーを持ってました。でも、実際のところ、ローマは大きくなっていて皆で話し合ってで決めていく議会制では進みにくくなっていたようです。

ちなみに、↑この方は、この方↓の甥なんです。
cesare_20180714023832715.jpg
この方、シーザーさんです。シーザーは独裁を行おうとして暗殺されました。

で、このアウグストゥスと今でも続いている8月15日の祭日とどういう関係があるのかというと、アウグストゥスが決めた祭日だからです。紀元前18世紀から祭日ですから、その後出てきた「聖母マリア昇天祭」より古いのでイタリア人にとってフェッラゴーストのほうが、もう、DNAのレベルに染みこんでしまっているのです。
アウグストゥスの頃から、15日を中心に仕事も戦争も農作業も休止して、お祭りをしてました。農作業や戦争に使う動物を花で飾ったり、競争したりしてたそうです。その名残がトスカーナのシエナで8月16日に行われる「パリオ」という裸馬の競争です。

と、言う訳で、イタリアでは「フェッラゴーストには事件を起こすな、病気になるな」と言われてます。
馴染みの弁護士さんもかかりつけのお医者さんも休暇をとっているからです。病院も医長さんは休みを取ってます。かかりつけのお医者さんや小児科はインターンなどの代わりが待機します。さすがにホテルは開いてますが、有名レストランなどは閉まります。

4世紀にキリスト教が公認されてから、それまであった様々なお祭りがキリスト教の節と重ねられましたが、8月15日のフェッラゴーストと聖母マリア昇天祭もそうですね。
と、いうわけで、熱心な信者さんはまずミサの日、そしてそれほど熱心でない一般人と混じってフェッラゴーストのお祭りをするわけです。

一般的な過ごし方としては、アウトドアでピクニックとかリゾート地のレストランで外食です。

我が家では、この夏の盛りの暑い時に混んだ道路をのろのろ行って、混んだレストランで適当にあしらわれつつ仕方なく食べて、またのろのろ帰ってくる…というのを避けようと家で過ごすことが多いのです。

実際、過去のフェッラゴーストは何してたんだろう…と過去数年のこの日の写真を探してみたら、やっぱりこういう写真ばかり見つかりました。

スパゲッティ・ボンゴレ
vongole.jpg
これは、車で5分ほどの魚屋さん兼トラットリアのもの。「キャンプ場のサービス、高級レストランの味」と呼んでる店です。

きっちり冷えた白ワイン
vino.jpg
トスカーナの白ワインで白と言うより黄色。白でも13度位あります。きっちり冷やすと口当たりが良くなってグビグビいけてしまって、フェッラゴーストの昼食後のお昼寝の良き助けになってくれます。

インペパータ・ディ・コッツェ
(ムール貝の胡椒風味の蒸し煮)
cozze.jpg
簡単で美味しい料理。出し汁がおいしい料理なのでここではブルスケッタ(焼きパン)を下に敷いてます。

アマトリチャーナ
amatriciana.jpg
ベーコンと玉ねぎとトマトソースのローマでお馴染みのパスタ。どちらかと言うと冬っぽいソースだけど、簡単で美味しいし、多分息子のリクエストだと思います。

イチジクと生ハムと白ピッツァ。

fichi.jpg
メロンと生ハムはもうおなじみだと思いますが、イチジクと生ハムの組み合わせもあるんです。メロンと同じように、果物の甘さと生ハムの辛さの組み合わせが最高です。
常々この組み合わせを最初に思いついた人に是非お礼を言いたいと思ってます。どなたなんでしょうね。
ここでは、ローマではおやつになったりする白ピッツァ(普通のピッツァの生地をやや厚めに伸ばして焼いたもの。伸ばしてから塩を振る、塩とオリーブオイルを振る、塩とオリーブオイルとローズマリーノを振るというバリエーションがあります。
似たようなものがローマ以外の土地にもありますが、呼び名が違い、厚さが微妙に違い、塩加減が微妙に違います。


もう一度第一代皇帝アウグストゥス。
8月のことを英語でAUGUSTといいますね。「アウグストゥス」と似てると思いませんか?アウグストゥスをローマ字で書くとAUGUSTUSです。(イタリア語だとAGOSTO

当時の為政者は暦を作るのが大事な仕事の一つでした。
紀元前44年に1年を365.25日とする「ユリウス暦」をシーザーが採用し、それを記念してシーザーの家名である「ユリウス」を7月の名前にしました。英語でJulyですね。ラテン語読みだとJUは「イウ」になります。
7月を選んだのは、多分、シーザーが7月生まれだからです。
その後、アウグストゥスが閏年の変更などをして8月にアウグストゥスの名を残したと言われてます。
ユリウスはジュピター、アウグストゥスは神々を統合した物の尊称で、歴史上の人物の名前ではないとする研究者もいるようです。

でも、9月のSeptember、10月のOctober、11月のNovember、12月のDicemberを見ると無理やり二ヶ月分ずらされたと見るのが正しいように思えます。
9月のSeptember=ラテン語でSeptem=7の意味、
10月のOctober=ラテン語でOcto=8の意味(タコのことをオクトパスっていいますね、8本足だからですね)
11月のNovember=ラテン語でNovem=9の意味、
12月のDicember=ラテン語でDecem=10の意味
7を表す言葉が9月、8を表す言葉が10月…となってるわけです。

他の意見があればぜひ教えてください。

いずれにしても、古代ローマの様々を知るにつけ、いかにヨーロッパの風習、歴史に大きな跡を残しているか改めて感心というか、興味がさらに深くなります。

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