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女王様のレストラン・ダニエラのクチーナ / ポルチーニとトリュフのパスタ

ここでよく登場するダニエラ。
両親がトラットリアを経営していたのでキッチンを遊び場にしてかつ14歳から手伝いをしてきたダニエラは、もともと料理の才能もあったと思いますが、個人的に料理に興味を持ち仕事にはしたくないと言いつつ、高級料理を振る舞ってくれます。

今回はポルチーニとトリュフのパスタです!

ダニエラは職業ではないものの、本物のシェフですから、人に振る舞うときは材料にも拘わります。
今回のポルチーニとトリュフのパスタ私のリクエストで、美味しいポルチーニが出回るのを待っていました。

「全部買ってくれるなら値引きする」というキノコを採集して生活してるおじさんに言われ、じっくりと中身を見てOKを出して4キロのポルチーニを買ったそうです。
足ががっしりと太く、虫が付いてるのは二個だけだったそうです。

一つづつ、丁寧にブラシと紙で余計なものを取ったのが下の写真。
ポルチーニ


そして、全部スライスして袋に入れ、冷凍します。
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では、パスタの準備に入ります。

フライパンにオリーブオイルを入れ(「適量」としか言えないのですが、今回は6人分、二回しくらいでしょうか)油が熱くなる前に、みじん切りにしておいたにんにく一片と唐辛子(量はお好みで)とスライスしたポルチーニを加えます。
10分加熱した後、水を少々加え弱火にして10分煮込みます。

↓これが出来上がりの様子。
03porcini In padella

ポルチーニを調理している間に、グアンチャーレ(豚の頬肉を使ったベーコン。パンチェッタより脂肪分が多い)をスライスして、フライパンで油を引かずにカリカリになるまで炒めておきます。
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トリュフをおろします。
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このトリュフは夫の知り合いでトリュフ狩りの免許を持っている人から貰い受けたものです。

これ以上は指をおろしてしまう…段階になったら、もちろん捨てずに、まず包丁で潰して、みじん切りにします。
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チーズです。これでソースを作ります。
今回は、自宅にあったすでにおろしてあるパダーナ。北イタリア4州をまたいだ平原でできます。有名なパルメザンに似たチーズです。
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これに黒胡椒をくわえ…
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パスタを茹でているその茹で汁を少々加え…
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フォークで混ぜ合わせます。
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さて、パスタです。
これは、ダニエラがウンブリア州にバカンスに行った折に買ってきたもの。
カステッルッチョ・ディ・ノルチャ産。

トリュフ入パスタ。
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ポルチーニ入りパスタ。
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これが中身。
ご覧のように、ガサガサした表面を持っています。
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このガサガサのおかげでソースが良く絡むのです。

普通のすべすべスパゲッティの湯で時間は8分。これは19分です。

茹で上がったパスタを網ですくってポルチーニソースのフライパンに入れます。
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ダニエラは茹でたお湯を捨てません。
この茹で汁は、必要とあればソースに加えて粘りを加えます。

写真ではよく見えませんが、トリュフとチーズのクリームも加えてよく混ぜます。
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お皿に盛り分けて、最後にグアンチャーレを乗せます。
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はい、できました!
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アップでもう一度。
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はい、とても美味しくいただきました。

チーズクリームについては、ダニエラは我が家にあったチーズはお気に召しませんでした。しっかりと溶けずにダマが残ってしまった。「これ、本物じゃないわよ」だそうです。いつもはスーパーの「アリメンターリ」コーナーで塊を買います。やはり、塊で買って、自分でおろしたほうがいいようです。

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ナポリへ行ったらピッツァ!

ナポリっ子の友人でロンドンに住んでる女性がたまに里帰りすると、1日予定を空けて会いに行きます。
高速電車でローマテルミニからナポリ中央駅まで約1時間10分で着きますので、日帰り距離です。

目的はもちろん彼女とのおしゃべりですが、ナポリへ行ったらピッツァを食べずに帰れません。

地図をどうぞ。
今回のナポリのお散歩に立ち寄ったところの位置関係をご覧いただけます。

ナポリ中央駅:地図の中央右端。友人が迎えに来てくれました。
ちょっと歩いて、ガリバルディ駅から地下鉄のライン2に乗って二駅。ムセオ(博物館)駅で降ります。地図上中央からやや左寄りの赤地に白字でMのシンボルがあって、小さくMuseoと書いてあるのが見ていただけると思います。

そしてそのやや下、赤線を引いてあるのが1日の大半を過ごしたバール兼ピッツェリアの「マッツ」です。

さらに、その下、日本語で「ナポリ大学」と書いておきました。友人はここを卒業したので、懐かしいから見てみる、と門に入りました。

沙汰に地図の左下の端にPrebiscito/プレビシートと見えますか?
有名なプレビシート広場です。

ムセオ駅

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ナポリの地下鉄駅はそれぞれ工夫がされてます。
ムセオ駅の構内はあかりとステンレスを使った現代美術のようになってます。
すごく有名なのがトレド駅のモザイクの宇宙を覗くような天井です。

ナポリの通り
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バール/兼ピッツェリアへ向かう小道です。いかにもな通りの風景です。

ストリートフードのピッツェリア
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一本の道にたくさんこのような小さな店があります。
ピッツァはもともとストリートフードで、ウィンドウに並べられた揚げピッツァを買って、ホクホク食べながら歩くのでした。

トゥリブナーリ通り
02viadei tribunali
この画像はGoogleマップスのストリートビューからいただきました。
目的のピッツエリアが左に見えます。

マッツ
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これもGoogleのストリートビューからいただきました。
店の入り口です。
Baba'(ババ、二番目のバにアクセントが来ます)と書いてあるのが見えます。リキュールをたっぷり含ませたナポリ独特のお菓子の名前です。
道に面したウィンドウにババが並んでいるのが見えます。

メニュー
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右端の店名のところにあるのは「人生にはMazzが必要」MAZZはナポリ方言で幸運という意味です。
ナポリ人は「天から降ってくる幸運」みたいなことを求める気持ちが強い人々だと感じます。
幸運のお守り的なものがたくさんあります。

赤い角
04魔除け
私たちが座った裏の出入り口から見えた大きな赤い角。
これもナポリ人がよく使うお守りです。

カゴ
05かご
これは装飾ですが、洗濯物とともにナポリの下町風景に欠かせない小道具、カゴです。
二階以上に住んでいる人が下まで降りずに物売りから買い物をするための道具です。ここにお金を入れてスルスルとおろし、物売りが品物をカゴに入れると、するすると引き上げるわけです。


出ました!
ピッツァ
06ピッツァ
額縁のあるナポリ風ピッツァの生地にプチトマトと水牛のモッツァレッラ乗せ。
ピッツァの基本であるマルガリータの現代版です。

ピッツア・ポルタフォリオ(お財布ピッツァ)
07ポルタフォリオ
私の注文品。ピッツァの中に水牛のリコッタを入れて半分に折って揚げたもの。
モチモチ感のあるナポリ風ピッツァ生地に水牛のコクのあるリコッタの組み合わせが美味しかったです。

お散歩
08道
懐かしい大学に寄って見たい、という友人と徒歩で大学まで行く途中の道にはストリートアートが。

ディエゴ・マラドーナ
09アルマンド
アルゼンチン出身のナポリチームの立役者だったマラドーナはナポリでは聖人扱いです。ここでも似顔絵に「聖ディエゴ」と書いてあります。

ナポリ大学入り口
10 ナポリ大学

大学構内内庭
11ナポリ大学
この内庭にある、友人の学科へのドアが閉まっていて入れませんでした。

プルチネッラ
12プルチネッラ
デジタルに移行してだいぶ店舗が少なくなって来ました。新聞雑誌販売店で客引きをしている?プルチネッラです。
コンメディア・デッラルテの中に登場するストックキャラクターの一人でナポリに割り当てられて、ナポリのシンボルとなってます。

ストリートアート
13ワーク

ストリートアート
14ワーク

ガンブリヌス
15がんぶりうす
プレビシート広場に面した高級カフェ。
今回は立ち寄りませんでした。

王宮から見た聖サンフランチェスコ・ディ・パオラ教会
16プレビシード

ナポリ湾とベスビオ山
17ベスビオ
ピッツァとともに、これを見ないでナポリをさるわけには行きません。
お散歩の締めくくりはナポリ湾とベスビオです。


Pizza Babà. MAZZ
住所:Via dei tribunali 359 Napoli
電話:081 459248

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女王様のレストラン・ダニエラのクチーナ

友人の一人、ダニエラは両親が経営するトラットリアのキッチンを遊び場にして育った女性で、料理への情熱と才能を開花させて、友人として美味しい思いをたくさんさせてもらってます。

五つ星レストランに出しても遜色のない料理をするので、みんな店を開かないともったいない、というのですが、子供の頃からずっとトラットリアの手伝いをしてきたのだから仕事としてはやりたくない。友達にご馳走して喜んでもらうので十分!だそうです。

前菜がテーブルに並び始めました。

本日の客人。私と旦那以外に、ダニエラが懇意にしている鮮魚屋さんの女性二人。
この二人は、こだわりのある鮮魚さんで、ローマ近郊の島から魚を取り寄せてローマで商売をしています。

材料にこだわるダニエラは、魚料理をする時はこの二人から買います。

そして、今夜は、この二人から購入したものでの魚づくしです。

前菜
海藻のフライ
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日本で言うアオサに似ている海藻です。衣をつけてカラッと揚がりました。

ミックスサラダ
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ダニエラは私みたいにスーパーで適当な野菜を買ってサラダにしません。特に誰かを招待する時は。
新鮮な野菜を売る店でじっくり選びます。
ここにはルッコラ、トマト、きゅうり、フィノッキオ(ウイキョウ)、ガエタ(ナポリが州都のカンパーニア州との境にあるローマが州都のラツィオ州の一都市)のオリーブのミックスです。ドレッシングはもちろん塩、オリーブオイル、ワインビネガーです。

名前忘れた揚げ物
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カスタードクリームを丸めてパン粉に包んで揚げたものです。

メイン
魚介スープ

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エビ、シャコ、ムール貝、あさり、タコをプチトマトとじっくり煮込みました。

ズーム!
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材料選びから気を使い、その材料の味を引き出す調理時間を熟知しているダニエラの料理は、提供される私たちにとって最高のおもてなしです。
私たちの「おいしい!」という言葉に最高に嬉しそうに笑うダニエラです。

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サルデーニャの羊チーズのサルデーニャ式食べ方

サルデーニャでは羊の放牧が盛んで、日常に溶け込んでいるからこその食べ方が色々あります。
サルデーニャ出身のジジ君が地元から自家製の羊のチーズを丸ごと持って遊びに来てくれました。

切って食べるだけではない、冬ならではの食べ方です。

チーズを半分に切り、暖炉の火の前に置きます。
切り口を火の方に向けます。切り口を溶かすのが目的なので、いつもの炭火焼(まぁ、バーベキューですね)のように食品の下に炭は置きません。


溶けた部分が固まらないうちに、ナイフ(ジジ君がいつも離さないマイナイフ)で剥がしていきます。
それをブルスケッタ(焼いたパン)の上に乗せます。
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真剣な作業。
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なるべく途切れないように「剥が」した方が良いので真剣です。

(ジジ君が故郷に帰ってから私もやってみましたが、途切れないように溶けた部分を切り離すのは難しい作業でした。
というか、細かくしかできませんでした。)

ジジ君の腕を見せた結果1。
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ジジ君の腕を見せた結果2。
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パンの香ばしさとサルデーニャの羊チーズの濃い味がよくマッチして、素朴な美味しさが病みつきになりそうです。
サルデーニャの、しかもジジ君が持って着たチーズの味が濃くて美味しいのは、やや高台の地域で山で放牧されて自然の草を食べて育った羊の乳だから美味しいのだと思います。

北イタリアに住む甥っ子も気に入ったようです。
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元旦の昼餐 南のサルデーニャと北のベローナの料理を味わった!

今年の元旦は久々に人が集まって賑やかだった。
北のベローナから義妹夫婦とその息子のカップル。南のサルデーニャから元居候とその妹。
それぞれの特産物を持ち寄って食卓を賑やかにしてくれた。


メインは何と言ってもサルデーニャの羊の放牧が盛んな村出身の元居候が披露してくれるサルデーニャ式の羊の直火焼きです。彼のおじさんは一人で子羊を平らげるそうです。肉を中心にした食事でさぞかしコレステロールが高いだろうと余計な心配をしますが、この地域はヨーロッパで一番の長寿を記録している場所でもあります。

暖炉に火が入り、電動丸焼き機に肉がバランスよく設置され、調理開始。

元居候ジジ君は時折、素手を肉と炎の間に入れて火加減を見て「あちち!」とやります。
肉の焼き上がりは火加減が大事だそうです。

こんがりと焼きあがってきました。



焼きあがった肉を、ジジ君が手持ちのサルデーニャ・ナイフでぱぱっと切り分けて大皿に。
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肉の脇と下には、家内のオーブンで調理したジャガイモを添えます。

そして、その下には…
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ピストック。ジジ君の出身地の特産、酵母菌を使わないパンです。
これについては、過去の投稿「サルデーニャからの贈り物」ですでに紹介しました。

羊の直火焼きも何度かやってるんですが。何度やっても美味しいのでつい紹介してしまいます。
ジジ君がいないとできないし。

そして…

食べます。
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こちらはおまけの
コラテッラ。羊の内臓を玉ねぎ、人参、ニンニクのみじん切りと一緒にフライパンでじっくり炒め、白ワインで煮込む料理です。
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これは、羊の放牧が盛んなローマでもよく食べます。
ベネツィアのモツ煮も有名です。

こちらはメインでは無く、直火焼きにするために肉を整えた際に出た余り物を、マッシュルームとグリーンピースと一緒に煮込んだものです。
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これは余ったので、翌日の昼食になりました。

さて、こちらは北タリアのベローナ特産品です。
義兄が切っているのは、ソプレッサ。
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「ソプレッサ・ヴェネタは、2年間熟成させたアーチ型の大型サラミで、重さは3キロにもなる。豚の首、脚、肩、腹、ロース、喉など、別々に処理されることが多い、いわゆる高貴な部位で調理されます。」

これをなるべく薄く切ります。
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北イタリア風に硬めにしたポレンタ(トウモロコシの粉)のスライスを炭火で焼き、熱々のうちにスライスしたソプレッサを載せます。
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ポレンタの熱でソプレッサの脂分が程よく溶けて…

よだれ。

これは前菜として食べました。


そして…

デザート1 サルデーニャのクッキー各種
12biscotti sardi
サルデーニャでは、シチリアに似てアーモンドと蜂蜜をよく使います。
とくに苦味があってそのまま食べると美味しくないアマンドルラ・アマーラ(苦いアーモンド)をお菓子に使います。
そのまま食べても美味しくないけど捨てるのもなんだし…という知恵でしょうか。お菓子にすると香ばしさが増します。
苦いアーモンドでリキュールも作ります。


デザート2「ロリカ・キン・フィク」
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このお菓子も「サルデーニャからの贈り物」で紹介しました。
作り方を知りたい方はこちらのリンクを。イタリア語ですが、自動翻訳を使うとなんとかなるかと思います。
干しイチジクとクルミ、干し果物のお菓子

こうして和気あいあいと美味しく新年を迎えました。
いい年になりますように。

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midoroma

Author:midoroma
中年からでもできるよね、夢の実現。

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